般若とでも言おうか

母の形相はこの世のものとは
思えなかった。



「ユズキあんたどれだけ親のメンツを潰すわけ?」




「汚い女」


次々と罵声を浴びせる


そして力任せに私を痛めつける


治りかけの傷口が
また出血した。




もう何も感じなかった。




そしてこみ上げるのは
笑いだった。



ああ。もう。死んでもいい。



「いい加減にしてください」







そう言ったのはジンだった