「そりゃうちも勉強は好きじゃないよ!でもやらなきゃいけないものだしさー。雄貴くんもなんか菜月に言ってやってよー!」

突然後ろの席の雄貴に声がかけられた。

雄貴はだるそうに答えた。

「別に本人がいいならいいんじゃない。」

「ほら、雄貴もこう言ってるしいいよいいよ!勉強なんてしなくて!」

「まったくもう!菜月ったらー!そういえば昨日のテレビみたー?」

「あ、みたみた!」

このまま二人の会話は違う方向にいった。

普通に話しながらも菜月は雄貴の様子がおかしいことに気づいていた。

いつもなら「菜月も勉強しろよ!」とか言いそうなのに今日はいつもと違う。

だが菜月は雄貴に声をかけることができなかった。

聞いてはいけないオーラが雄貴から出ている気がした。