こんな自分に向き合ってくれて、まっすぐに思いをぶつけてきてくれる。
目の前にいる愛生を目に映しながら、保育園時代の弱々しそうな愛生を思い返していた。
俺の初恋。
構ってあげたくて、つい意地悪をしかけて泣かせて。
あの頃は俺がいつも追い回していたけど、まさか今では愛生が追いかけてきてくれるなんてな。
卒園式の時に渡したこの髪飾りとともに言ったあれ。
結婚してやる。
もう離れ離れになんのに、最後の日に何年後か未来の約束をした。
ずっと一緒にいたい女の子に伝えたかった。
…自分なりの精いっぱいで、全部本気だった。
今の俺からすれば、素直な気持ちをなんの迷いもなしに伝えられていたあの頃の千景少年すげーよ。