いやいや…って手を振っていると、小さく笑われる。
のど渇いた、な。
飲み物がなかったので、買ってくるねと立った。
「た、炭酸しかない…」
自販機の前でがっくり。
欲しかったものは売切。
いやぁ…炭酸を飲む気分でもないし、もう少し他を探してみよう。
歩いてれば見つかると思ってたけど、なかなか出会わず、かれこれ10分。
探し回ってやっと見つけたスポーツドリンクを2本持って市橋くんのところに戻った。
「市橋くん! はい!」
「え……」
「ほらほら、飲んで」
「ありがとう……なんでそんな汗かいてるの」
「自販機巡りみたいなことしてた!」
そう言うと笑い声が隣から聞こえてくる。
市橋くん、ちょいちょい今日は笑うね〜
「やっぱり天使だ。優しい人」
「ちょっ…、市橋くんまでそんな飲み物1本で大げさ!」