あ、認めた。 「悲しいことでもあった?」 無反応の千景に私は引き下がらないよ。 今日はちゃんと話がしたいから。 「千景くんが眠れない理由……おじさんから電話で少し聞いちゃった」 「父さん?なんで電話?」 「千景くんとなかなか連絡取れないって家にかけてきてくれたよ。すごく心配してた」 ドアの隙間から顔が少し見える程度だったのが、ゆっくりと開かれて千景くんは私の手を引いた。 「入って」