「うん!じゃあ私もお風呂行ってくる」
さっきまで私は不安で不安で仕方なかったはずなのに、千景くんの声が聞けて、千景くんがすぐそこにいるだけで平気になる。
ほんと、千景くんでいっぱいなんだなって思う。
大事だからこそ聞かなきゃいけないことがある。
ーーコンコン
私も髪まで乾かしたし、後は寝るだけ。
千景くんの部屋のドアを叩いて、呼び出した。
「なに」
「千景くん、体調平気?すごい濡れてたし、泣きそうに見えたから」
「……さっきのやつなら心配いらない」
「泣いたこと?」
首をかしげて聞いてみると、視線を横にそらされる。
「……うん」