強制的にくるっと向きを変えられ、家の中へと押し込まれる。
先に靴を脱いで上がっていった千景くんはさっさと進んでいく。
呆然と立ち尽くすこんな私を振り返って、気にする様子もない。
まぁ、すぐにでも濡れた服脱ぎたいもんね…
あんなに濡れちゃって風邪ひかないといいな。
それと、さっきの。
千景くんは否定してたけど泣いてたと思う。
玄関横のランプのあかりのせいでそう見えただけ、もありそうだけど…
「風呂、上がった」
千景くんの声が外からして、すぐに駆け寄った。
少し開いていた私の部屋から光が漏れていたからか、気まぐれで来てくれたのかな。