玄関のドアを開けて外に出てみるけど、誰ひとり道を歩いていない。



そりゃそうだ。


こんな大雨の中、わざわざ出歩かない。




早く帰って来てよ、千景くん。



もう待っていられなくて玄関の外にまで出て来ちゃってるんだよ?



早く、


早く私を不安の渦から救い出してほしい。




こんなときにネガティブ思考発揮だよ…



マイナス方向にしか考えられない。



もう我慢する力もなくなって、溢れた涙をこらえようともしなかった。




……もう、うんざりしちゃった?



まだ千景くんを好きでいる私に嫌気がさしたとか。




そんなこと、実は思ってたりするのかな千景くん。