会いたかっただけ、か。
やっぱりなにか話を聞いてもらいたかったんじゃないかな……。
でも私がそれどころじゃないと思って、気を使ってくれてるのか。
「千景と俺の似てるとこ見つけたかもな」
「なんですか?」
「大事すぎて、どうしていいか戸惑う」
首をかしげていると先輩が「帰ろ」って急に立ち上がったので私も慌てて腰をあげる。
別れ際、
「百瀬さんさ、泣きたくなったらいつでもおいで」
「…ふふ、いつでもって…」
「いつでも受け入れるから」
私につられたのか、先輩も笑いながら頭を撫でてくれた。
安心感とか元気とか、
そして勇気をもらった気がした。