「愛生がかわいいとかありえないから。ブスだよね。ケッコンできないね、かわいそうなやつだ」



すぐ近くから聞こえてきたそれに視線をあげると、仁王立ちで私を見下ろす男の子。



「こーら、千景(ちかげ)くん。意地悪な男の子は女の子に嫌われちゃうよ!」


「おれは本当のことを言っただけだし」



先生に怒られることを怖がる様子もなく、その子は平気な顔で人が傷つくようなことを言う。


こんなこと毎日言われて慣れるわけもなく、私は毎日大泣きしていた。


みんなが楽しそうに外で遊んでるのに私は体育座りして泣いていて、その隣にはひどいことを言ってきた本人、山咲千景くん。


今思い返すとなんでだろう?って首をかしげてしまう。


なんで隣にいて泣き止むのを待ってくれていたのか謎。



ほんと、変だよ……千景くん。