「こんな小さい体でよく俺の前に立てるよな」
振り返ろうとした私の肩に両腕を乗せてくる千景くん。
力なくただおろされた指先は細くて、
私なんかのより綺麗な形をしていて見とれてしまうほど。
「やめろよ、俺のこと庇おうとすんな」
「…千景くんが、危ないって思ったから」
「怪我でもされたら困る」
動揺して目線があちこち動いちゃう。
千景くんと話してると、声聞いてるとどうしようもなく心が揺れ動く。
全然だめだ。
千景くんのことが好きだ。
私ふられたのにまだ好きなんだ。
嫌いになんてなれなくて、簡単に消えてくれるわけもない。