髪の毛おろしていれば首もむき出しにならず、少しは侵入を防いだのかもしれないけど……。



今朝は時間なくて、適当に結んで来ちゃった。




「あ、千景くんブレザー返す…少し濡れてるかもだけど、ごめんね」



「じゃあ手に持ってて」



「……うん」




すぐ後ろに立つ千景くんの気配を感じながらただ突っ立っている私。



早く先生戻ってこないかなぁ…!


正直、気まずさしかない。




「あーもうこれ早く脱いでちゃんと拭いたほうがいい。襟元からじゃ手届かねー」



「今は脱がないからね!?」



「……今すぐ俺の前で脱げなんて言ってませんケド」



「っあ…ですよね…」



「バカ」



「…………」



「なんでそんなバカなんだよ」




黙っていても千景くんの言葉が降りかかって来る。



バカ連呼しないでください。


言いたかったけど、言わないで飲み込んだ。