腕を引かれるがままに歩き出す。
今日の私は、夏服だった。
Yシャツに学校指定のニットベストで、
下着は透けて見えないと思うんだけど…
寒いと勘違いされたのか千景くんが肩にかけてくれた。
大きいし、なんかいい香りする。
自分のとは違うサイズの大きさにただただ新鮮味しかない。
…千景くんはさ、
なにも深い意味とかないんだろうけど、
優しくしてくれること全部、ドキドキするしかない。
どうにもならない。
もう。
困った。
「こんにちは。どうしたの……ってあら、また君たち2人?」
保健室の先生今日はいらっしゃるようで。
優しい笑顔で出迎えてくれた。