騒ぐ2人の声を聞きながら、安堵のため息。
「これ水風船だねー」
前園くんが拾い上げて近くのゴミ箱にポイっとしていた。
背を向けた私のちょうど首元に命中して、シャツの襟から水が侵入。
中のキャミが背中に張り付く感覚…
ずいぶんとうまいこと大量の水入って来たなとがっくり。
今日は体育ないから体操着持ってきてないし、部活もやってないから着替えなんてないよー……!
乾くかなこれ。
「保健室。着替えに行くぞ」
「えっ、あ……」
ふわりとかけられたブレザー。
目の前に立っている千景くんを見上げた。
「そうだ、千景くん!濡れてないよね、よかった」
「よかったじゃねーよ、ばーか」
「わっ……!」