口に手をやって俯く。


しまったなぁ、と思ってたら


前方からなにやら騒がしい声が近づいてきた。


ちらっと視線を上げると、



「そーれっ!あ、やべ、手元くるった!」



「おわっ、バカどこ投げてんだよ」




男子たちがふざけあっていて、なにかが飛んで来るのが目に映る。



ひゅっと勢いよく、それはこちら目がけてーー




「っ千景くん!」



気づいたら体が勝手に動いてて、


すぐ隣にいる千景くんを守らなきゃって思いに突き動かされたんだと思う。




「っひゃあ……冷た!」




なにか知らないけど、背中に入った…!!




「かーっこいい愛生ちゃん!すげー、なに今の速さ!ただの守られ天使ちゃんじゃないじゃん?」



「愛生ちゃん大丈夫!?とりあえずわたしのハンカチで……」