まぁ、でも
前園くんなりに気にかけてくれるって。
思うことにするね？
「愛生にとって俺はただの通過点ぐらいに思えばいいよ」
こっちは、言葉の意味に難しい顔してるっていうのに…
平然とした顔でさらに続ける千景くん。
「いい男なんて他にいくらでも見つけられんだろ、心配すんな。あ、大知先輩とかは？ 俺もいいと思うけど。面倒見いいし、心広いし」
突然、饒舌になる千景くんにびっくり。
私はそんなことが、聞きたいわけじゃないんだよ。
「……なにそれ？ 私、千景くんのこと通過点だなんて思ってない」
「じゃ、これから…」
「思わない！私はっ…最初で最後の人であってほしいってずっと思ってる！」
っ、あ…
千景くんの視線が向けられて、瞬時にしまったと思った。
ああ、ワタシ暴走気味……
