机の上にお弁当が置かれる。


千景くんの手を見たまま固まった。



今日もお弁当作ってくれたんだ…



なんで?なんて思っちゃう私は気にしすぎなの?




「先、行ってる」


「はーい、愛生ちゃんと後から行くね」




ありがとう、の一言も出てこない私。


聖菜ちゃんは私のことを待ってくれてるみたいだった。


教科書を片付けたり、ゆっくり準備してる私に、



「ケンカ中?」



様子を伺うように聞いてくる聖菜ちゃん。


にこっと優しく微笑んでくれて、じんわり目元が熱くなる。



教室なのに、人もたくさんいるのに、涙腺が緩んじゃう。



「千景くんにフラれました…」


「え!?」