千景くんのこと言わないと、だよね。



ふとスマホに視線を落とすと、大知先輩からメッセージが入っていた。




“今日、放課後会える?”




シンプルな連絡。


なんて返事しよう…



正直遊びに行ったり、先輩と楽しく話したりと今それどころじゃないよ私。



あーっ、もう…!



頭を悩ませるものが多すぎて、全部放り投げ出しちゃいたい。



…でも、きっとなにも残らなくなってしまうのは困るからそんなことできない。



もっと器用に、もっとうまく立ち回れる性格だったらなぁ…


すべてうまくいってたのかな。



なんて、


気を抜けば考え事ばっかり。



違うこと考えよう、授業に集中だ!



そうしていたらあっという間に時間が過ぎていき、お昼の時間に。




「愛生、これ弁当」


「え……」