朝からどんな報告だよ、って突っ込まれそうだけど前園くんは、



「ん、そっか」



優しい声とともにぽんと背中を押してくれた。



彼女じゃ、なくなっちゃった。



これから私は千景くんが他の誰かに本気になる姿を見なくちゃいけないんだろうか。



私は千景くんを振り向かせることができなかった。



ちょっともその心に入っていくことができなかったみたい。



初恋は叶わないなんてきくけど、悔しい。



本気にさせること、できなかった。




「千景がなに考えてんのか俺も分かんないけど、なんか、変に焦ってるっていうか」



「……焦るって、そんなに追い詰めたのかな私」




前園くんも知らないことなら私にも分かるわけない。



教室に入ろうと前園くんの後に続いていこうとしたら突然止まったものだからその制服を少し掴んでしまう。


おっ、と…




「愛生、いた?」