まさかの、
ここで1人で帰れと言われるとは思わなかったよ……。
あの2人で会話続く?
私に話せない話でもあるの?
もう、千景くん〜〜
登下校はできるだけ一緒にしてたのに。
あの変な男の人に会っちゃった夜から心配してくれてるんだと思ってたけど、もう大丈夫だろうってことですか。
門限だって……きみも守らなきゃいけないんだよ!?
モヤモヤする気持ちを抱えたまま電車に乗って最寄駅に着いたはいいけど、帰りたくない。
まだ家に帰りたくないよ。
腕時計を見てみれば門限まで残り30分。
千景くんだって守らないんだったら私が門限破っても知る人なんていない。
ママに報告するなら私だって千景くんのこと言うからー!
「ぶらぶらしよ……」
駅中のお店を見て回りながら、食べたものを少しでも消費しよう。
運がよければちょうど帰ってきた千景くんと一緒に帰れるかななんて思ったりしながら時間が過ぎていくのを待った。