「市橋くん、おはよう!」


「おはよう……え、っと」


「あ、百瀬です」


「百瀬さん。ごめん、僕あまり他人の顔と名前が覚えられなくて」


「同じクラスだし、毎日顔合わせるからきっと大丈夫だよ、市橋くん!」


「……嫌な気分にならない、の?」


「へいきだよ」


「…………」




黙り込んじゃった市橋くん。



私はじゃあと笑って教室の中へと入って行った。




市橋くん真面目。



そういうこと気にしちゃうのかなきっと。



もっと気楽で全然問題ないと思うのに。