3人で歩いていてもみんなの視線は変わらず向けられる。
千景くんで慣れてるから、こんなこと初めてではないけど……それでも居心地がいいものではないから。
視線を意識しないように歩いていると、
「おはー、天使ちゃんと千景別れたってマジ?」
「「は?」」
前園くんが後ろから追いつくや突然にそんなことを聞いてきて、千景くんと2人声が揃った。
待って待って。
もしかしてさっきチラッと聞こえて来た噂は私たちのこと!?
わ、別れたって……!
今いちばん聞きたくないやつー!
いや、いつ聞いても嫌だし、できれば聞きたくないよね。
「っ千景くん……」
近くにいたその腕に思わずしがみつく。
みんなが見てても関係ない。
「別れてない」
私の頭をぽんぽんと撫でながら言う千景くん。
こんなときにもドキドキしてしまう。
千景くんが少し声を張ったのは、きっと周りにも聞こえるように、なのかな。