「千景くん?…眠いの?」
「んー…寝れる時に寝ておかないと。夜…あんま眠れねーから」
「どういうこと?あっ、いま何時だろ……残りの授業は?」
ぼんやりしてた愛生がはっきり目覚めてだんだん騒がしくなる。
眠いんだから、すぐ寝れるんだから
悪いけど邪魔しないで
「もういいから一緒に寝よ、俺と」
愛生をきつく抱きしめておとなしくさせて、瞼を閉じた。
「だいすき、千景くん」
また愛生の寝言?
それとも、もうすでに俺は夢の中?
そんな判断ももうできないぐらい中で聞いた声に口元が緩む。
心くすぐられるこの感覚は久々ってか、懐かしい気もする。
もう10年前も前のこと。