ポケットに入れたスマホが震えて取り出してみると、大志からだった。
メッセージじゃなくて、電話かよ。
なにあいつ、どこにいんの?
「授業中じゃねーの今」
『急遽自習なったー、だから飲み物買いに行ってる』
「普通に出歩くなよ…」
さっと視線を動かして愛生を見たけど、起きてねーな。
あいかわらず先生不在。
じゃこのまま保健室で、こんぐらいの声で話せば平気か。
「あ、ねぇー今日のアレなに?愛生ちゃんわざと怒らせて、ほんとしょーがないねキミ」
「は?」
「そんなんばっかやってたら、もう千景くんなんて知らないっ!って捨てられちゃうかもよー」
っ…
チッ、急に高い声出しやがって愛生の真似かそれ。