「千景くんは余裕があるのかもしれないけど私、そんなこと言われたくなかった!」
千景くんのばか。
ばーーか!!
ちゃんと向き合えてるって思ってたのは、まだ私だけ?
なんでそうやって手放そうとするの。
そんな態度でいられたら不安しかないよ、私。
私は離れていこうとなんて、離れていきたいなんて、そんなこと思ってないのに。
ちょうどチャイムが鳴って、みんなに目も合わせず先に教室に入る。
……はぁ…、なんでこうなるの〜
落ち着こう、深呼吸しよう…
着席して静かに息をつきながら、チラッと見えた前園くんと聖菜ちゃんの顔。
微妙な顔していて、気まずい雰囲気にさせてちゃったことは反省だ。
ごめんね2人とも……。
次の昼休みは、普通にしなきゃ。
気持ち切り替えて明るくしなきゃ。
ーーガタッ
後ろで椅子を引く音が聞こえて千景くんも戻って来たことがわかる。
なんか…、
千景くんを前にするとうまくいかないことばかりだな私。