うちの高校が厳しいだけで今時、他はこんな感じなのかなぁって思うことにした。




「じゃ、移動しよっか」


「どこ行くの?」


「いつもんとこ。兄貴のカフェの地下」




みんなの会話を聞きながらも意識は千景くんのことから完全に切り離せない。



千景くんと放課後行ったことある場所なんてまだ近所のスーパーぐらい…



今頃なにしてるかな?



私いないけど、今日のご飯どうするんだろ?



私が帰るまでひとりであの家にいるんだよなぁ…



寂しいって思ってくれたりするのかな、なんて。




「おーい?」


「あっ、はい」


「眠い? 元気?」




数秒前まではみんなで信号待ちしていたはずなんだけど。



今ここには私と、青になったことに気づかなかった私の意識を引き戻してくれた人。