「拡散してもらえれば一気に知れ渡るじゃん。SNSのチカラすごいっしょ」


「そう。俺が頼んだ」


「わあっ、千景くん!?」



背後から伸びて来た手が前園くんのスマホを持っている私の手ごと掴む。



びっくりしないわけがない。


しかも、少し体を動かせばトンと背中が千景くんの胸にぶつかるぐらいの近さ。



学校なのに、近いですよ、千景くん?



千景くんって距離近いのなんとも思わない人なのかなぁ。


私はこんなにもいちいち反応しちゃうのに。