「いいよ。次は愛生が誘って」
腕の中に閉じ込められて、すぐ耳元で聞こえた心地いい声に嬉しくなって目を細める。
この前は前園くんに押されて千景くんに抱きついちゃったけど…
今回はちゃんと抱きしめてもらえてる。
抱きしめられたら不安なんてどこかへ飛んでいっちゃうんだね。
単純なだけなのかな。
でも、素直に嬉しいんだ。
「千景くんのことが大好きだよ」
「……それ毎日言うつもり?」
「あ、いいねぇ。毎日言ったら本気で好きになる?」
「聞き慣れて重みを感じなくなるかもな」
「じゃ、じゃあ大事な時だけ! ここぞという時に伝える!」