私がほどけないでいるのを見てしびれを切らしたのか、横から手がのびてくる。
自分でやると言っても手を払いのけられて、おとなしくなるしかなかった。
「絶対誤解してるから言うけど、あれ俺からじゃなくていきなりあっちが来たんだよ。あんな不意打ち避けれるかっての」
「そ、そっか…」
靴紐だけじゃなくて流れで靴まで脱がせてくれて。
驚きを隠せず、足首を持つ千景くんの手を見つめた。
「千景くんはどう思ったの」
「は?」
「だから深山さん…」
「キスの感想聞いてんの、おまえ」
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