目的地は、電車で数駅離れたところにあるアウトレットモール。


ハイブランドや見たことあるお店がずらりと並ぶ敷地内。


連休初日ということもあり、人だらけ。


気を抜けばはぐれてしまいそうだ。




「千景くん……って、いない…!」



到着早々に…って!



私のことなんてかまわずに買い物を楽しんでもらいたいとは思うけどさ。


でもなにも言わずに離れていってしまうのは、心配しちゃうよ。



どうしよ。


連絡入れておとなしくどこかで待ってたほうがいい?



「愛生、こっち」



ぐいっと手を引かれ、向きを変えさせられた先。


目の前には呆れた顔の千景くん。