「この靴もっと大事に履こうっと」


「そんな好き?」


「千景くんとおそろいだから」



ふふっと微笑むと千景くんも珍しくニコッと笑みを向けてくれた。



「街中歩いてればそんなんゴロゴロいるな」



笑顔でそんなことをサラリと。


ああ、言われた側から。


発見してしまいました。


私たちは今電車に乗ってるんだけど、実際に斜め前の男性も丸々同じ靴を履いているではありませんか…。



ジロリと千景くんを見る。



「千景くん、厳しい」


「なにが? どこが?」



こんなときにニコニコとした笑顔を向けてくるところとかかな。