「千景くん、へん……。やさしい…」


「もし愛生がケッコンできてなかったら、おれがしてやるよ」


「え……ほんとに?」




急に離れるのが寂しくなって、


今、約束をすればまた会えると思ったのかもしれない私は。




「千景くん、やくそくだよ」


「ん。ゆびきり!」




向けられた小指に自分のを絡めると千景くんは優しく微笑んでくれた。



ケッコン、かぁ。


千景くんは私が泣きそうに見えたのかもしれない。


だからなにかおもしろいことを言って笑わせようとしてくれたのかな。