「これつけてればちょっとはかわいく見えるんじゃん?」



手にのせられたのは、小さなリボンバレッタ。


淡いピンク色のリボン。



「あら、まぁ~!」



一番先に喜びの声をあげたのはママで。


私はうまく声が出ないほど、びっくりした。


手のひらのものををじっと見つめ、ゆっくり大事に握りしめる。



最後まで変な千景くん。


こんな、女の子が好きそうな、喜びそうなものを私にあげるなんて。


そんなの今までしたことないでしょ。


優しくするなんて、おかしいって思ったのと同時になんで今なのって。


最後だから?