出会いと別れの季節、春。
まだ満開でない桜を見ると何年経っても毎年同じことを思いだす。
居場所も連絡先もわからないきみのことをずっと想ってる。
いつかまた会えるはずって、思っているから。
たぶん、私まだまだ好きでいるんだろうな。
保育園に通っていた10年前のことを思い出しては、なぜかふっと笑っちゃう。
きみがいる、懐かしい思い出。
―――……
「愛生(あき)ちゃん、今日の髪型かわいいね! ママがやってくれたの?」
「う、うん…!」
保育園に通っていた時の私、百瀬愛生は、とにかく恥ずかしがり屋な子どもだった。