「は、春名ちゃん!ああ……どうしましょう……。


おばさんは血相を変えながらも、涙ながらに理由を話してくれる。


「さっきね。

主人の会社から主人が仕事の打ち合わせ先で倒れたと言う連絡が来たの。

それで、搬送先の病院に行かなくちゃいけなくて。

でも、私ったらタクシーを降りる場所を間違えちゃったみたいで……。

もうどうしていいか分からないわ」


おばさんは目頭を抑え、懸命に話を続ける。