「お腹の中に、本当に赤ちゃんがいて、必死で生きていたんだって……。

私が死にたくないって思うのと同じ位……、ううん、それ以上に、この子も必死で『生きたい』って叫んでるんだって思えて……。

どんどん、体から赤ちゃんが消えていく気がして……。

気付いたら夢中で叫んでたの。『赤ちゃんを助けて』って。

今でも、正直、産むって思うとプルプル震えちゃうのにね。不思議……」

かずにぃは何も言わずそっと壊れ物を包み込むようにその広い胸に私を包み込む。