写真をじっと見つめていると、涙と共に笑顔がこぼれる。

「私ね、赤ちゃんが死んじゃうって思った時、夢中で助けることしか考えられなかったの。

妊娠したって聞いた最初の時、凄く怖くて……恐ろしくて……。

絶対に、産めないって思ってて。

でも、歩道橋の階段から滑り落ちたとき、初めて気が付いたの」

「何を気付いたんだよ」

かずにぃは、少し不安そうな顔をしながら頭を傾けると、私の頬を伝う涙をそっと拭く。