赤ちゃんを産むと決めた今……。

もう決してトオル君のそばにはいれないんだって……

彼の笑顔に触れることはないんだって……

痛いほどの現実に、この体が引き裂かれそうになる。


「もう、トオル君の側に行けない……。トオル君、ごめんね。

行けなくなっちゃったよ……」


お布団を被って泣いている私の胸元にトオル君から貰った星のペンダントヘッドが滑り落ちてくる。


ペンダントを見ながら、あの時のトオル君の言葉を思い出す。


『それは天使の涙なんだって。

もし、君につらいことがあったら、その天使が君の代わりに涙を流して、そのつらい気持ちを浄化してくれるそうだよ』