「妻と良く話し合ってみます」

「そうして下さい」

かずにぃに肩を抱かれて診察室を後にした。

かずにぃは何も言わない。

ただ黙って、受付前に整列する椅子のひとつに私を座らせる。

休日診療だったから、全ての電気は消され、唯一、非常灯と自動販売機の灯りがぼんやりと辺りを照らしていた。

「何か飲むか?」

私は頷き、「コーヒー……」と言い掛けて、赤ちゃんに悪いかもと思い直し、「ミネラルウォーター」をお願いした。