「とにかく、この一連の問題を一刻も早く解決して……」

彼は静かに微笑むと、遠い目を私に向け、日本語で語り掛ける。

『今すぐにでも、君に会いたいよ』

彼の突然の日本語に会場はしーんと静まり返る。


そして、彼がSPに囲まれるように慌しく会場を去ると、記者達は一斉に、日本人記者を取り囲み、「彼は何と言っていたんだ?」「あの日本語の意味は?」と逆取材をしているようだった。


私は震える体を両手で抱きしめながら、零れ落ちそうになる涙を必死で堪えていた。