トオル君は、一通り話し終わると周りの偉そうなおじ様たちに目配せをし、「ではこれで会見を……」と、壇上から去ろうとした。


『ちょっとすみません。もうひとつ最後に質問させて下さい!』

日本人の記者が、メモを持ちながら挙手する。


『あなたは今まで、あらゆることを実現されて来られたようですが、今、一番望んでいることは何でしょうか?』


トオル君は、再びマイクの方に体を傾けると、

「そうですね……。一刻も早くこの会見を終えたいです」

と答え、記者達をどっと湧かせた。