そう言えば、小さい頃、怖いお話を聞いた夜には、こうして良くかずにぃが手を繋いで寝てくれた。

かずにぃは頼もしくてやんちゃなお兄ちゃんで、私はいつもかずにぃの後をちょこちょこ付いて回るお荷物だった。

今思えばかなり迷惑を掛けた……。

だけど、かずにぃはいつも、「しょーがねーなー」って笑って許してくれた。


あの頃の、私とかずにぃの間には、男とか、女とか、何も無かったんだ。

ただ、じゃれ合ってた。



遠い遠い昔のこと……。