二人で、すっかり暗くなった夜の星を見上げながら歩く。


彼は星を指差しながら、私に星や星座の名前を教えてくれる。


「東京は本当に星が少なくて残念だ」


ギリシャ神話に彩られた星たちのエピソードを語りながら淋しそうに彼は呟く。

私も星空を見上げる。

藤枝君の知っている星空は、私が生まれたときから見てきたこの星空とはきっと全然違うんだろうな。

彼が見てきた星空を私も一度見てみたいなと思いながら、空を見上げた。