目の前が真っ暗になりながら、壁を伝い、戸を開ける。

「ハルナ!」

かずにぃが抱き抱えるように私をベッドまで運ぶ。

かずにぃは何も聞かない……。


ただ、ずっと黙って手を握ってくれていた。

真っ暗闇の視界の向こうから、ぼんやりとかずにぃの心配そうな顔が現われて、私は少しだけほっとする。