夢に出てくる彼はただ優しく微笑んで、

「片岡のとこに行けよ」

と私の背後に立っているかずにぃを指差しながら去っていく。

「トオル君!待って!行かないで!トオル君!!」

意識が闇の中で彷徨し、交錯する。

真っ暗な沼の中に私の手も足も溶け込んで、呑み込まれそうになった頃、誰かが扉を叩く音がして、ハッと目を覚ます。