かずにぃは私の肩を掴むと、詰め寄る。

「あの時の……か?」


私が目を逸らすと両手で頬を包み、私の目を追う。

「そうなのか?」

私は両腕を顔の前に交差すると、無言でかずにぃの質問を拒絶する。


「病院には行ったのか?」

「検査は?」

「ハルナ!」

かずにぃの質問は、どんどん私を逃げ場のない袋小路へと追い込んでいく。

涙が頬の輪郭をなぞりながらはらはらと流れ落ちた。