かずにぃはもう抱かないって言ってた。

信じていいのかな……。

初めて抱こうとした時も、途中で止めてくれた。

けど、それはリョーコさんが帰って来たからで、それがなければ、きっとあのまま……。

そして、あの時……。

あの夜のことを思い出し、手の指先がどんどん冷たくなってくる。

信じたい……

ううん。信じられない……

そんな気持ちの間を行ったり来たりしていると、かずにぃはトレイにお鍋を乗せながら部屋に戻ってきた。