「閃光弾、役立ったみたいねー!!」

彼女はさっきキスしたすきに僕のコートに忍ばせた閃光弾について言及する。

「あんなもの持っているなんて、君は一体……」

グレイスは僕の疑問に答えず、「かばん、開けるわよ!!」と叫び、僕が今まで持っていた医療器具の入ったカバンを開ける。

なだらかな丘陵に辿り着くと、軽く弧を描きながらバイクを止め、木々の隙間から辛うじて見えるリムジンを指差す。

「あそこにケッチャムとキンケイドがいるわ」