グレイスは微笑むと力強く握手を返した。

「お礼はまた今度改めて」

「当然のことをしたまでだわ。でも、どうしてもって言うんなら、今はこれでいいわ」

彼女はそう言うと僕の肩に手を回し、唇を重ねてきた。


「なっ……なにを!?」

慌てて振り解いた僕の顔を、彼女はいたずらっぽい目で覗き込みながら「ふふふ。ごちそうさま、坊や」と満足そうに笑う。