「リンカーン記念館よ!」


パルテノン神殿のような白く美しいリンカーン記念館が、僕を待ち受けるかのように厳粛にその姿を木々の合間から徐々に現していく。


バイクから降りると、彼女に手を差し出し礼を述べようとした。

「有り難う。えぇ……っと」

「グレイスよ。グレイス・ハザウェイ」

「ありがとう。グレイス」